三番瀬の未来を考えるシナリオ・ワークショップ
2003年5月31日(行動計画作成)の記録

(シナリオ・ワークショップは2003年5月17・18・31日の
全三日間にわたって行われた)

2003年6月13日

「三番瀬の未来を考えるシナリオ・ワークショップ」事務局
「開かれた科学技術政策形成支援システムの開発」研究プロジェクトチーム

 

◆目次

要約
1.開催日時
2.ワークショップの進め方と内容
3.採択された行動計画

1 シナリオ・ワークショップ第3日の運営について

2 グループ構成表

3 第3回セクター別グループ討議(行動計画要素第1次案)
3.1 公募市民セクター
3.2 専門家セクター
3.3 NPO(市民団体)セクター
3.4 議員・公募市民セクター
3.5 産業界・公募市民セクター

4 第3回混成グループ討議(行動計画要素第2次案)
4.1 混成グループ2-1
4.2 混成グループ2-2
4.3 混成グループ2-3
4.4 混成グループ2-4
4.5 混成グループ2-5

5 投票のための行動計画と結果


要約

1.開催日時等

開催日時:2003531日(土) 10:0017:35
開催場所:千葉工業大学津田沼校舎7号館4階(74047405教室)
参加者 :午前29人→午後30
他にファシリテーター、運営委員、事務局、事務局ボランティア

2.ワークショップの進め方と内容

(1)ワークショップの進め方

 当日配布した資料「シナリオ・ワークショップ第3日の運営について」に従って進行した。このワークショップの運営は、「『三番瀬の未来を考えるシナリオ・ワークショップ』に参加される方のマニュアル」に基づいているが、最後の戦略的投票にかける時間を多くするために、スケジュール全体を少し前倒しにした。また、計画要素の書き方、計画要素をつくるときの考え方、計画要素の数え方を明確にした。

(2)ワークショップの内容

5月31日

1  第7回全体会

10:0510:30

当日の課題、スケジュール、ルールについて説明した。

「シナリオ・ワークショップ第3日目の運営について」

「グループ構成表」

2  第3回セクター別グループ討議

10:3011:50

各セクター別のグループが、それぞれ5つ以内の行動計画要素を作成した。

3  第8回全体会

12:5013:30

各グループからそれぞれの行動計画要素案についての報告があった。合計22件が提出された。

「セクター別グループ討議の結果」

4  第3回混成グループ討議

13:3015:10

新しい混成グループが、22件の行動計画要素から、任意に5つ程度を選択して、増補改訂した。延べ23件が議論された。

「グループ構成表」

5  第9回全体会

@(15:1015:35

A(16:0017:10

@     各グループがそれぞれの行動計画用素案(計23件)について報告した。

「混成グループ別討議の結果」

A     重複する行動計画要素を整理統合した。その結果18件に絞られた。

「投票のための行動計画と結果」

6 戦略的投票・開票・発表

17:1317:35

整理統合された18の行動計画要素に対して、一人3票(計90票)の投票をおこない、上位5位までが行動計画として採択された。

「投票のための行動計画と結果」


3.採択された行動計画

次の5つの行動計画が採択された。

1. 漁業と環境保全・再生との折り合いをつけるために   (15票)

     漁業者、市民、NPOが、漁業のブランド化(CI化)を図る
     漁業者、市民、NPOが、漁の価格の安定化を図る。
     行政、市民、NPOが、ラムサール条約に登録する。
     市民のカンパや行政によって、漁業インフラの整備を2〜3年以内に図る。
     漁業者が、漁業インフラ整備について、計画を提案する。
     行政が、漁業インフラ整備のための場所を確保し、金をだす。
     漁業者、専門家が、漁業者養成塾をつくる。
     市民や行政が出資、漁業者が参加して、検討委員会をつくる。
     市民や行政が出資、漁業者が参加して、環境影響調査を行う。

 

2. 「三番瀬・東京湾・流域河川の調査プロジェクトがパートナーシップ(行政・市民・NPO・漁業者・企業)で定期的に行われている。干潟の再生活動を続け、研究、モニタリング活動のマネージメントを担うシステムと組織が確立されている」ために   (12票)

     官民参加による(若松プロジェクトが中核となって、)新たなNPOが既存の組織と連携して、中立性が保てる組織(=誰でもあつまる+公開)でフォーラムをつくる。フォーラムのイメージは、「誰でもあつまる」「ルールを決める」「公開する」「けんかする場ではない」「マスコミを入れる」。
     上記フォーラムが、的確で持続的な情報を提供する研究NPOをつくる。
     上記フォーラムが、発展して20年後にはマネジメント協議会をつくる。
     行政を含む多様な関係者が、三番瀬保全マネジメントシステムを構築し維持する。
     行政を含む多様な関係者が、No Net Lossの原則を確立する。
     行政を含む多様な関係者が、干潟再生の具体的な行動プログラム(数値目標)をつくる。
     調査プロジェクトが、生物多様性と漁業の再生と実現。
     調査プロジェクトが、定期的な調査活動を行い干潟の再生活動研究、モニタリング、マネジメントする。
     官でも民でもないNPOが、ファシリテーターをする。
     行政と住民と第三者機関が協働で、ルールをつくる。
     行政と住民と第三者機関が協働で、各主体の話し合いの場、意見調整の場をつくる。


3. 三番瀬の環境保全にかかわる住民が参加するしかけ(環境学習およびイベントなど)をつくるために   (10票)

     行政が、住民参加の条例を作成する。
     行政が、エコロジーセンターの場づくり。
     行政が、学校教育の解放。
     行政が、三番瀬を教材に総合学習への活用。
     行政が、三番瀬へのアクセスの整備。
     NGOが、情報発信を行う。
     NGOが、エコボランティアの事務局。
     NGOが、漁業との協力をはかり協同組合を実現する。
     住民が、三番瀬に関心をもつ。
     住民が、関心を寄せる市民の組織化を行う。
     住民が、子供の教育に参画する。
     住民が、保全作業に参加する。
     住民・NGO・行政・漁業者が、三番瀬を知る体験イベントを企画し、協力参加する。
     住民・NGO・行政・漁業者が、三番瀬海舞台の作成・運営。
     NGOと市民が、エコマネーの企画・運営を行う。
     NPOが、イベントの企画。
     NPOが、情報発信。
     NPOが、エコボランティアの事務局。
     NPOが、エコマネー企画・運営。
     行政が、住民参加の条例。
     行政が、三番瀬へのアクセス整備。
     市民が、まつりの実現。
     市民が、エコマネー企画・運営。
     市民・行政が、首都圏の干潟、里山をCI化(Jリーグなみ)し、組織化する。イメージ、ロゴ作成。
     教育庁・学校が、三番瀬を教材とするカリキュラムを持つ(三市地区学校優先)。
     NPO、地域のボランティアが行政、学校と協力して、汚染のメカニズムや文化や生物について、親と子供で学べる学習センターをつくる(日々の三番瀬の様子を記録する、調査データを整理公開、環境学習のための相談窓口運営する)。
     行政が、三番瀬海舞台(仮称、ハコモノでない)をつくる(三番瀬の海を背景としたイベントを企画運営する)。
     地元産業界が、三番瀬海舞台(仮称、ハコモノでない)をつくる(三番瀬の海を背景としたイベントを企画運営する)。
     行政・漁業者・市民が、ただちに海のごみ拾い、水の浄化活動を開始する(陸のクリーンアップとともに海のクリーンアップ)。
     漁業者と専門家が、漁業者養成塾をつくる。


4. 三番瀬の景観を利用し(海を臨みながら)、全国から人が集まり、海と自然をテーマにしたイベントが行われるために   (10票)

     行政・市民・NPOが、学び、参加、遊び、集いをキーワードに、公設民営による、ものものしくなく、節度のある、自然に配慮された「三番瀬海舞台」をつくる。

 

5. 「次世代型の都市漁業の登場。漁業から派生する地域産業(フィッシャーマンズワーフ)の育成。ただし、生態系のバランスには十分配慮されていること」「干潟の再生と漁業の両立が図られ、地域住民とも交流が図られている。漁業者と市民が参加する協同組合(協働の場)ができる」ために  (9票)

     市民・漁業者・行政が、出資し、新しい漁協(第三セクター、生協のような)をつくる。
     新しい漁協が、小売店で地元の魚とわかるようにして、市民が買いたくなるようにする。(米を参照)。
     新しい漁協が、自立した漁業のため東京湾〔沿岸漁業〕全体の産業を作る。
     新しい漁協が、漁業者などの税の優遇や、規制措置の解除をおこなう。
     新しい漁協が、漁業リサーチ(将来性、後継者、漁法)。
     新しい漁協が、東京湾の漁業を近隣住民にアピール。
     新しい漁協が、漁業者と専門家が共通ビジョンをつくれるような場を設定する。
     新しい漁協が、漁場・藻場の整備を行う。
     新しい漁協が、漁業者養成塾をつくる。
     新しい漁協が、行政・産業界の支援協力も得ながら、漁業インフラ施設の設備方策(実現化方策)を検討する。
     新しい漁協が、後継者を育成するための教育施設を整備する。

以上全56票/90票


 

1 シナリオ・ワークショップ第3日の運営について

2003531

シナリオ・ワークショップ運営事務局

本日は以下のように運営します(スケジュールはおおむねマニュアルに従いますが、最後の戦略的投票にかける時間を多くするために、少し前倒しにしました)。

10001030 全体会7回目
 お送りしてある『記録暫定版』(これをお約束したビジョンレポートとします)を使って、5月17日、18日の成果を振り返ります。そして、得られた13項目から成るビジョン(別にこれだけを印刷したものをお配りします)を確認します。
 
本日の進め方、スケジュール、課題について説明します。
 
本日の課題は、得られた20年後の未来像を実現するための行動計画の作成です。二つのグループ討論を経て、行動計画要素を作成し、本日の夕刻に行動計画要素を投票にかけて行動計画を決定します。

10301150 セクター別グループ3回目
 
議論の課題は行動計画要素の作成です。未来像(13項目から成る)を実現するために、各セクターは何をすべきかについて、議論のうえ各グループは5つ以内の行動計画要素第1次案を作成します。「各セクター」とは、自らのセクターである場合と、他セクターに対する注文である場合が含まれます。

■計画要素の書き方:
「あるビジョン要素を実現するために」、「誰が」、「何をする」。
または、
「あるビジョン要素を実現する条件が成り立つために」、「誰が」、「何をする」。
のどちらかとします。

「誰が」は、ひとつの主体やセクターでも、複数の主体やセクターの協働でも結構です。

■「あるビジョン要素を実現する条件が成り立つために」という理由:
  ビジョン要素には、直接にそれを目標として計画を立てられるものもあるでしょう。しかし、あるビジョン要素が成立しているためには、いくつかの条件が成立していなければならない場合があることが考えられます。そこで、その条件(複数の場合もあるでしょう)を実現するために構想される計画要素が出てくることになります。これを想定しているために、この表現を用いています。

■行動計画要素をつくるときの考え方:
1.夢物語ではないものを作ってください。
2.今回は行政からの参加者がいないので、「よい計画であれば、行政はそれを採用して応援してくれる」と考えることにします。

■行動計画要素の数え方
 
ひとつの「ビジョン要素を実現するために」、いくつも「誰が」「何をする」が出てきたときには、別々に数えるのではなく、「ビジョン要素」毎にまとめて1つと数えます。「ビジョン要素を実現する条件が成り立つために」のときも同じです。

 
ただし、たがいに矛盾する「何をする」が含まれているときには、別のものとして数えます。

11501250 昼食・休憩

12501320 全体会8回目

 各グループは行動計画要素第1次案を発表します。

13201440 混成グループ3回目
 
ここで、この混成グループの新たな構成をお知らせします。

 
各グループはそれまでに得られた25件以内の行動計画要素第1次案から、5つ以内(ただし、合意が困難な場合、各グループのメンバーの数まで許容します)(これは、マニュアルに示したルールからの変更です)を選択し、増補改訂して5つ以内の行動計画要素第2次案を作成します。

14401500 休憩

15001710全体会9回目

15001530
  各グループは行動計画要素第2次案を発表します。

15301610
 
重複する行動計画要素を参加者の議論によって整理統合します。しかし、強い合意は図らないこととします。

16101630 休憩

16301710 戦略的投票・開票・発表
 
参加者は一人が3票をもち、統合整理された行動計画要素第2次案に対して、戦略的投票をします。投票終了後、公開で開票します。
 
投票結果を発表し、上位5つをこのワークショップの行動計画とします。

☆ スケジュール終了後、記者発表します。

 

2 グループ構成表

グループ構成表(31日)

           
           

ファシリテーター

加藤

庄嶋

村上

西原

八尾

書記

三上

藤沢

久保

田原

補助

後藤

草深

高橋

水野

川野

セクター別

専門家

意見団体

議員

産業界

公募市民

畔柳昭雄

籠谷公輔

川口英樹

森本剛

小出修

糸長浩司

青山真二

さとうももよ

吉村正博

柴直樹

戸村信夫

川越誠一

村岡民子

堀木信行

杉本龍志

本藤祐樹

川島千鶴子

川口勲

安井敬博

小関加夜

田中宏実

立花一晃

花澤信太郎

立石裕二

風間哲郎

松本奈穂子

菅波 完

鈴木弘之

 

河田恕千

         
         
     

は公募市民

 
           
           
           

ファシリテーター

西原

八尾

庄嶋

村上

加藤

書記

田原

藤沢

久保

三上

補助

水野

川野

細野

高橋

後藤

 

1

2

3

4

5

混成グループ2

戸村信夫

田中宏実

松本奈穂子

畔柳昭雄

糸長浩司

本藤祐樹

青山真二

川越誠一

籠谷公輔

川島千鶴子

立花一晃

菅波 完

森本剛

吉村正博

堀木信行

中島健蔵

川口勲

安井敬博

小関加夜

風間哲郎

杉本龍志

河田恕千

川口英樹

立石裕二

柴直樹

さとうももよ

村岡民子

小出修

花澤信太郎

鈴木弘之

 

 

3 第3回セクター別グループ討議(行動計画要素第1次案)


 

 

 

 

 

4 第3回混成グループ討議(行動計画要素第2次案)


 

 

 

 

5 投票のための行動計画と結果